僕は埼玉県に住む61歳の学芸員です。僕のコメントが、少しでもあなたのマイホーム購入のお役に立てれば嬉しいです。
日本にある一戸建て住宅の耐用年数の平均は26年だそうです。アメリカでは平均45年、イギリスでは平均75年といいますので、日本の住宅の寿命が非常に短いことがわかります。これは平均値なので中には寿命の長い家も存在しています。いわゆる古民家とよばれている日本の伝統的な製法で作られた木造住宅です。建てられてから100年以上のものが全国各地に多数存在しています。最近では古民家を再生させて現代でも生活しやすくリフォームする人が増えており、とても人気があります。ではなぜ平均が26年になるのでしょうか。それは戦後から高度経済成長期に建てられた住宅の質が悪いからです。当時は住宅不足から質より量が重要でした。したがって、質の悪い住宅を大量に建てる結果となってしまったのです。
近年、法律の整備によって住宅の質は向上しています。戦後70年近く経過し、それらの質の悪い住宅も徐々に少なくなってきています。このことから今後は日本の住宅も耐用年数が向上することが予想されます。リフォーム技術も向上しており、長きに渡ってその家に住むことが出来るようになるでしょう。中古住宅としての価値も向上するので、売買もしやすくなります。一般に15年程度で資産としての価値がなくなるとされる一戸建て住宅ですが、20年、25年と価値下がらなければ中古住宅であっても安心して購入することが出来るでしょう。非常に良質な住宅に暮らしていた時代から、戦争を経て一度は質の悪い住宅へと変わってしまいましたが、今後は日本の住宅もアメリカやイギリス同様の耐用年数となるでしょう。