一戸建ての耐用年数はどれくらいか(山口県/デザインプロデューサー/35歳/女性)

私は山口県に住む35歳のデザインプロデューサーです。私のコメントが、少しでもあなたのマイホーム購入のお役に立てれば嬉しいです。


一戸建ての耐用年数はどれくらいでしょうか。まず、公式のものとしては、財務省令で定めている耐用年数が、木造で22年、鉄筋コンクリートで47年ということですが、鉄筋コンクリートはともかく、木造は実態とかけ離れているといいます。国土交通省は27年とか30年とかいう木造住宅の寿命を示していますが、27年というのは取り壊した住宅の平均築年数、30年は現存する住宅数を新築戸数で割ったもので、サイクル年数とも言われています。いずれにしても、築40年、50年という建物がたくさん現存している状況からみても、これも実態をとらえていない数字かもしれません。現に最近では築30年を超えた賃貸住宅も増えてきているといいます。


早稲田大学の小松教授が人間の平均寿命と同じ手法で推計した木造専用住宅の寿命は2011年調査で65年とされています。しかも、1997年の調査からは20年以上の伸びを示しています。小松教授の分析によれば、構造体の違いは寿命に影響しないということですが、戦後の高度成長の中で、生活が洋風化し、内風呂や冷暖房が装備されるようになるなど、住環境が大きく変わったこと、景気の低迷や低成長で経済的に家を建て替える環境になかったこと、最近の住宅は使用部材が良くなってきたことなどがあいまって、住宅を長く使おうという方向に変わってきているようです。こうしてみると、適切な維持管理さえ行えば、耐用年数を気にしなくていいくらい長期にわたって寿命を維持できるようです。