私は沖縄県に住む37歳の装丁家です。私のコメントが、少しでもあなたのマイホーム購入のお役に立てれば嬉しいです。
住居用不動産を購入する場合、よほどの資力にめぐまれた人でない限りは購入代金を全額一括で支払うのは困難です。通常は代金の一部を自ら負担し、残りを銀行等からのローンで支払ったうえで、数年ないし数十年をかけてローンを返済していくというのが一般的なスタイルです。この、購入時の自己負担分を頭金といいます。言うまでもないことですが、頭金の額が多ければ多いほど、ローンの借入額は少なくなります。ということは利息の負担も少なくて済むということになります。しかし頭金を増やすということは、親族などが援助してくれる場合を除き自己の手元資金、つまり貯蓄などを減らすことになりますから、今後の生活を考えるといくらでも増やせるというものではありません。慎重な検討が必要になります。
頭金の額をいくらにすればよいのかということについては、さまざまな考え方があります。かつては購入価格の20パーセント程度が最適であるということが言われていましたが、これは住宅ローンの利用限度額が購入価格の80パーセントまでに制限されていた頃の話です。現在のように代金の100パーセントをローンでまかなうこともできる時代にあっては、一概にはあてはまりません。実際、2010年代に入ってから行われたとある統計調査では、住宅購入時の自己負担額については0円、つまり全額ローンで購入したという回答が最も多かったという結果が出ています。つまるところ適正な頭金の額とは個人の事情(貯蓄額及びローン返済能力)と社会の事情(金利動向)の相関によって決まります。低金利が長く続くと見れば自己負担は少なくてもかまいませんし、金利上昇が見込まれるときは借り入れを少なくした方が得になります。