私は沖縄県に住む43歳の放射線技師です。私のコメントが、少しでもあなたのマイホーム購入のお役に立てれば嬉しいです。
築年数が20年、30年と経過している、一戸建て木造住宅の売却をお考えの方は、できる限り売却前に「建物診断」(インスペクション)を行うことをおすすめします。一戸建ては、地面と建物を支える基礎が建物によって異なります。一般的な戸建ての基礎は、「ベタ基礎」「布基礎」と呼ばれる形態で、これは地面に直接コンクリートで基礎をする工法です。このような基礎の場合、年数を重ねる中で地盤が沈下などした場合に、建物が傾く可能性があります。また、木造住宅は、白アリの被害を受けたり、湿気や結露により普段は目に触れない木材が腐ったり、劣化しやすいのが問題点です。このように、住みながら気づかない問題点が多く、売却を進める中で、仲介業者などから問題を指摘されることがあるので、売却にあたっては「建物診断」を行うことは有益です。
築年数が経過した一戸建ての売却で、一番注意したいポイントは、瑕疵担保責任についてです。瑕疵担保責任とは、売り手が気づいていない問題(瑕疵)について、買い手に引き渡した後にも、責任を負うというものです。一般的な契約書では、瑕疵担保責任を負う期間は、2か月もしくは3か月と決められています。一戸建ての取引においては、通常であれば「白アリの被害」、「建物を支える部分の木材部分の腐食」、「雨漏り」、「給排水管等の故障」について負うものとされています。マンションと異なり一戸建ての場合、共用部がないため、故障のすべてについて売り手が負担する必要があります。仲介業者が、買い手と交渉して瑕疵担保責任をなくすように要請することもあります。しかし、瑕疵担保責任を免責にすることで、買い手は不安になることがあるので、やはりプロによる「建物診断」を事前に行うことが望ましいでしょう。