僕は山形県に住む70歳の装丁家です。僕のコメントが、少しでもあなたのマイホーム購入のお役に立てれば嬉しいです。
一戸建てやマンションを購入する際、気になるのが耐用年数です。国土交通省が発表した報告書では、一戸建て(木造住宅)で27年から30年、マンションで37年となっています。ただしこの数字は、木造住宅の場合は取り壊した住宅の平均築年数で、マンションの場合も立て替えをした平均築年数となっています。この数字は平均したものなので、実際には50年、60年とこの数字以上に長く住み続けられる住宅が多いのも事実です。ですから住宅の耐用年数はその建物によってそれぞれに異なると理解しておくと良いでしょう。また、住宅の構造や住み方によっても違いが出てきます。適切な修繕をすることによって長く住み続けられ場合が多いものです。
マンションの構造はRC/鉄筋コンクリート造となっていますが、年数が経過していくと鉄筋コンクリートが劣化していきます。鉄筋コンクリートはコンクリートの中に鉄筋が入っていて、中の鉄筋部分から錆びていきます。鉄筋を守るための外側のコンクリートも年数が経過していくと収縮が起こってきます。収縮が大きくなるとコンクリートにヒビが入り、そのヒビから雨や雪などの水が入ることによって鉄筋も錆びていってしまうのです。コンクリートはセメントと水でできていますが、コンクリートの収縮はセメントと水の割合によって大きく変わってきます。セメントに対して水の割合が多いと収縮が起こりやすいので、ヒビも入りやすくなります。このようにコンクリートは、耐用年数に大きく影響する要素の一つなのです。