私は岡山県に住む40歳の准教授です。私のコメントが、少しでもあなたのマイホーム購入のお役に立てれば嬉しいです。
よく新築分譲マンションの広告が新聞に挟まって届けられますが、ほとんどの場合、販売個数や販売価格が未定となっています。商品を購入する消費者としては、その商品の機能や付加サービスにも興味はありますが、最も知りたい情報は値段です。いくらお金を用意すればその商品を手に入れることができるのかを知りたいと考えている人がほとんどであることについては、デベロッパーの方も百も承知しています。よほどのお金持ちでない限り、値札を見ずに商品を購入する人はまずいません。それでもあえて販売価格未定としたり、最低販売価格を表示するだけで新築マンションの予告広告を打つのにはそれなりの理由が存在します。ごく大雑把に言えば、短期間で売れ残りを出さずに売り切るためです。
いくら高機能の設備を備えて造りも頑丈なマンションであったとしても、買い手がつかなくては意味がありません。周辺に建っている似たような物件の情報を入手して値付けしてしまうことは可能ですが、可能な限り利益を出したいと考えるのが当たり前ですから、最初から定価のようなものを公表することはできるだけ避けます。まず予告広告で集まってきた客のレスポンスを見て、どの程度の価格設定にすれば完全に売り切ることができるのかを分析します。まだ値段がはっきりしていない段階でも、条件の良い部屋であればかなり高い購買意欲を示してくる客が存在します。そのような物件であれば多少高めの値段にしても売ることができます。しかし、いつまで経っても買い手がつかない部屋の場合には、状況を見ながら低めの価格設定にするしかないのが実情です。