僕は千葉県に住む35歳のナニーです。僕のコメントが、少しでもあなたのマイホーム購入のお役に立てれば嬉しいです。
一戸建ての耐用年数は30年程度などという通説が世間ではあるようです。このような話が出てきた裏には、国土交通省がやっている「建築動態統計調査」というものが深く関係しているようです。この国土交通省の統計調査の中には「建築物除去統計」というものが含まれています。この統計は簡単に言うと、取り壊された建物が建築後何年だったを数値としてまとめたものです。確かに、国交省の統計によると取り壊された木造家屋の平均築年数が30年なのですが、これを家屋の寿命とするにはやや問題があります。一番の問題は取り壊された木造家屋の割合は全木造家屋の0.6%に過ぎないということです。何らかの理由があって取り壊された、たった0.6%の木造家屋の築年数の平均が30年だったということで、これを木造家屋の耐用年数と考えるのはどうも早計そうです。
実際、もう少し詳しく木造家屋の統計データを追いかけてみると、1951年以降に建築された木造家屋のうち、半世紀以上が経過した2007年の時点で、実に85.9%が取り壊されないで残っているという調査結果が出ています。建築学的には、建築物の寿命というのは、残存率が50%を切る年数と定義されるので、1951年に建てられた木造家屋の耐用年数は少なくとも50年以上であるということが言えます。この1951年の調査には、新築以外の木造家屋も含まれていますので、新築の耐用年数ということであればさらに年数が延びることが期待されます。ここでは主に木造家屋のデータを考察しましたが、現代では建築資材や工法が進化していること、家屋のメンテナンスサービスやシロアリ駆除技術なども進化していることを考慮すると、少なく見積もっても新築一戸建ての耐用年数は60-70年以上であると期待されます。