私は岩手県に住む66歳の水先案内人です。私のコメントが、少しでもあなたのマイホーム購入のお役に立てれば嬉しいです。
これまで国交省などが公表している資料によると、一般的な木造一戸建ての寿命は27年~30年前後と言われていました。しかし、この数字は取り壊された建物の築年数の平均や、建物の新築数を取り壊し数でのぞいた数字であったりと正確な耐用年数とは違っています。つまり、国交省が公表している「寿命27年~30年」というのはほぼ取り壊した住宅の平均築年数ということになります。しかし、実際には築50年や100年であっても取り壊されていない建物の現存数もまだ多く、しかも取り壊した建物の中にはまだ十分に使用できるにも関わらず壊されたものも含まれるため、実際の耐用年数とは大きく異なります。また、近年の住宅は以前よりも雨漏りなどに強く、耐用年数は大きく伸びていると考えられます。
実際の耐用年数については、多くの研究者が研究をすすめています。ある大学教授が行なった建物の平均寿命の最新調査は、人間の平均寿命を推計するのと同様の手法で計算されています。それによると、近年の木造一戸建ての平均寿命は約64年と言われています。これは、あまり雨漏りや外壁などの耐水工事や点検・修繕を行なうことが少なかった時代の状況で推計したものになります。ですから、近年進んでいる技術や材料の耐用年数などを加味すると、建物の寿命はまだまだ長いものになると考えられます。「家」は、入居者(所有者)が意識をして定期的に適切なメンテナンスを行なうだけで寿命を保つことができます。一時期言われていた「木造住宅の寿命27年」説は過去のものとなっています。