一戸建ての住宅の耐用年数(佐賀県/装丁家/68歳/男性)

僕は佐賀県に住む68歳の装丁家です。僕のコメントが、少しでもあなたのマイホーム購入のお役に立てれば嬉しいです。


一戸建ての住宅の耐用年数はどれくらいなのでしょうか。まず公式のものとしては財務省令による耐用年数がありますが、これだと木造で22年、鉄筋コンクリートで47年とされています。また、滅失建物の平均寿命で推計した27年という数字もありますし、現存する建物を新築戸数で割ったサイクル年数で推計した30年という推計もありますが、築50年を超えても十分実用に耐える建物があることなどから、建物の本当の「寿命」を表しているものとは言えないと言われているようです。実際に首都圏の戸建賃貸住宅の動向を見ても、築30年以上の物件の割合が1998年~2003年の約6%から、2008年~2013年では24%と大幅に増えてきています。


一方で、早稲田大学の小松教授の推計、これは人間の平均寿命を推計するのと同様の手法によるものとのことですが、これによると、2001年調査では木造専用住宅で65年とされており、これも1997年調査の45年と比べると大幅に伸びています。これは、建物の質が向上したことと、景気の低迷といった経済情勢の影響もあるようなのですが、耐用年数が劣るといわれていた木造住宅も十分な耐用年数を持っていることがわかります。これまで建物の寿命が短かったのは、生活の洋風化や内風呂や冷暖房の普及など生活環境や建物に求めるニーズが激変してきたことに加え、木造住宅は長持ちしないと考えて十分なメンテナンスを施してこなかったことに原因があるとされており、成熟社会を迎え、建物の品質やメンテナンスに関する意識も変わった現代では、木造住宅の寿命に対する見方も変えていくべきかもしれません。