マンション共用部分の考え方(岐阜県/ストリートミュージシャン/38歳/男性)

僕は岐阜県に住む38歳のストリートミュージシャンです。僕のコメントが、少しでもあなたのマイホーム購入のお役に立てれば嬉しいです。


マンションのどこまでが専有部分で、どこからが共用部分にあたるのかという問題は、実はなかなか複雑です。たとえば、マンションの壁や床、天井などの部分にだけ着目して考えてみた場合でも、説が3つに分かれています。1つめは、共用部分説もしくは内法説と呼ばれる説です。この説によれば、壁・床・天井の全てが共用部分ということになり、専有部分は境界部分によって囲まれている内側の空間部分のみということになります。この説に立つ場合には、壁紙の張替えも自由に行うことができなくなってしまいますので、実情にそぐいません。2つめは専有部分説もしくは壁心説という説です。この説によると壁の厚みの中央までが専有部分になり、壁内部の工事も行うことができるようになります。しかし、建物の維持管理を考えると不適切であると言われています。


現在主流となっているのは、折衷説もしくは上塗説と呼ばれている説です。この説によるとマンションの躯体部分、つまりコンクリート部分は共用部分にあたりますが、表面は専有部分の範囲に含まれるということになります。この説を採用している限り、各居住者は自由に壁紙の張替えを行うことができますので、部屋の居住性能や建物の維持管理の観点から最も妥当な説であると言われています。実際に、数多くのマンションが折衷説に依拠した管理規約を作成していますし、法務省もこの説に依拠した形での指導を行っています。ただし、多くの分譲業者が、管理規約には折衷説を採用する一方で、販売するマンションの床面積の表示には専有部分説を採用するといった変則的な取り扱いを行っています。