マンションの耐用年数とコンクリートの関係(北海道/刑務官/63歳/女性)

私は北海道に住む63歳の刑務官です。私のコメントが、少しでもあなたのマイホーム購入のお役に立てれば嬉しいです。


一般的なマンションは、鉄骨鉄筋コンクリート造りや鉄筋コンクリート造りになっています。一戸建て住宅に多い木造の従来工法などでは、マンションのような集合住宅を建築することは不可能です。そのような工法だと、自らの重さを支えることができませんので、建築中に潰れてしまいます。ですので、鉄筋やコンクリートを用いて堅牢な構造物を作ることになります。実は、マンションの耐用年数には、このコンクリートの厚さがどのくらいであるかという問題が、大きな影響を及ぼしています。施工当初のコンクリートはアルカリ性です。しかし、常に外的刺激にさらされ続けることによって、徐々に中性に変質していきます。コンクリートが中性化すると、空気や水分を浸透させやすくなってしまうために、鉄筋の劣化が起こります。


このコンクリートの中性化は、年に約0.5mmずつ進行すると言われています。単純計算すると60年かけて3cmの厚さのコンクリートが中性化することになるわけです。一般的なマンションの鉄筋のかぶり厚は3cmになっていますので、他の要因を全て無視した場合、マンションの耐用年数は約60年だと言うことができます。もちろん実際には他の要因もいろいろと絡んできますので、一概にコンクリートの厚さだけで耐用年数の判断をすることはできませんが、非常に密接な関係を持っていることは事実です。ただし、中性化によってコンクリート自体の強度が弱まってしまう心配はありません。水分が内部の鉄筋に達することによって鉄筋に錆が生じ、そのために膨らんだ鉄筋がコンクリートを破壊してしまうというわけです。ですので、コンクリートを厚くしたり、防水加工を施せば、耐用年数を伸ばすことができます。