私は福岡県に住む64歳の大道芸人です。私のコメントが、少しでもあなたのマイホーム購入のお役に立てれば嬉しいです。
人間に寿命があるように、無機物であるマンションにも寿命があるのです。一般的に、鉄筋コンクリート造である「マンション」は60年は保つと思われています。しかし、この「60年」という数字は、資産を計算する便宜上、国が一律で定めたものであり、1998年にそれ以降の法定耐用年数は「47年」と13年も短く設定されたのです。また、2002年に国が作成した報告書によると、マンションの平均寿命は「46年」、建て替えの着工時期は築後「37年」という数字が出ています。ところが、これらの数字はあくまでもデータ上のものであり、そもそも人間の寿命と同様に、一律に同じと考えること自体に無理があります。長く生きるものと短命なものを平均した数字が、上のようなデータなのです。
ですから、46、7年と言われていても60年70年と保つ物件もあれば、20~30年で取り壊さなければならない物件もあります。では、そのような差はどこから生まれるのでしょうか。その決め手は、主に3つあります。まず1つ目は、建物本体の劣化のしにくさです。これには、コンクリートの水セメント比(水が多いほど、コンクリートにヒビが入って、中の鉄筋が錆びやすいです。)や、鉄筋のかぶり厚さ(鉄筋の周りを覆うコンクリートの厚み)が含まれます。2つ目は、入居後のメンテナンスをいかにきちんと行っているかです。そして3つ目は、地震などの外的な要因です。これらが組み合わさって、マンションの耐用年数は決まって来るのです。さらに、マンションを購入する際には、耐用年数が長いかどうかを「住宅性能表示」でチェックすることも重要です。