僕は愛知県に住む74歳の教員です。僕のコメントが、少しでもあなたのマイホーム購入のお役に立てれば嬉しいです。
マンションなどの共同住宅では「専用部分」と「共用部分」があります。前者はその物件を所有している所有者のものであるのに対し、後者はその物件に入居している全ての人々のものです。具体的には、エントランス・廊下・エレベーター・壁・床・天井・窓ガラス・玄関扉・ベランダ・配管や配線などがこれに含まれます。しかし、実はこの両者の境界は実は曖昧で、明確な定義は存在せず、「共用部分説・内法説」「専用部分説・壁心説」「折衷説・上塗説」の3つの考え方があり、結局はそのものの性質や設置目的などによって判断されています。では、具体例を見て行きましょう。まずは「窓ガラスや玄関扉」です。これは建物の外観保全の観点から、利用制限すべき部分と考えるため、「共用部分」とみなされます。
次は「壁・床・天井」です。これには3つの考え方があります。まず1つ目は、全ての境界部分は全て共用部分であり、境界によって取り囲まれた空間だけが専有部分とするものです。2つ目は、境界の厚さの中央までが専有部分とする考え方です。3つ目は、境界のうち躯体部分は共用部分ですが、上塗りなどの躯体以外は専有部分とする考え方です。さらに、「配管や配線」についてです。これは、設置目的や設置場所、性質、維持管理の状況などによって判断されます。以上のように、共同住宅では個人所有の権利を主張できる部分と、そうではなく皆のものである部分があるのです。皆のものである部分に関しては、そこに住む人全ての権利と義務が発生します。