マンションのローンは60歳時の残高が重要(福井県/ジャーナリスト/74歳/女性)

私は福井県に住む74歳のジャーナリストです。私のコメントが、少しでもあなたのマイホーム購入のお役に立てれば嬉しいです。


昭和36年4月2日以降に生まれた男性と昭和41年4月2日以降に生まれた女性は、公的年金を受け取れるのが65歳からです。高齢者雇用安定法によって60歳以降も働ける環境が進んでいますが、60歳以降は収入が下がる可能性が高いので住宅ローンは60歳までに完済するのが理想であり、それが無理でもなるべく少なくしておく必要があります。退職金でローンの残りを一括完済するつもりの人が多いですが、年金支給が65歳以降になっていることを考えると退職金は老後資金として取っておいた方が賢明です。例えば、35歳の人がマンションのローンを組んで3000万円を固定金利で借りたとした場合、60歳の時に30年返済では約700円になります。


700万円をゼロにするためには、途中で繰り上げ返済をする必要があります。繰り上げ返済とは、毎月の決まった返済とは別に先々の返済分を前倒しして返済する方法です。前倒しして返す分は元金の返済に充てられ、そこにかかるはずだった利息がカットされます。60歳時の残高700万円をゼロにするために必要な繰り上げ返済の目安は700万円÷25年(35歳から60歳までの年数)で計算することができます。年間で28万円、おおよそ4年ごとに100万円程度という計算です。返済期間を短くすることは、60歳時のローン残高を少なくする効果、言い換えれば老後の安心感を高める効果もあるのです。若いうちにローンを組んだ方がいいように思いがちですが、若いために頭金が少なければその分借入額が多くなり、結果的に同じような額が残る可能性があります。