ガーデニングは一戸建てならではの楽しみ(熊本県/学芸員/28歳/女性)

私は熊本県に住む28歳の学芸員です。私のコメントが、少しでもあなたのマイホーム購入のお役に立てれば嬉しいです。


マンションやアパートなどの集合住宅ではなかなか得ることのできない、一戸建て住宅における楽しみの1つといえば、ガーデニングです。最近ではベランダガーデニングといったジャンルもあるようですが、どうしても排水や日当たりなどの制限が多くなります。本格的に楽しむには、やはり自分の庭で本物の土を使ってするのが適しています。日本においてガーデニングが流行しはじめたのは、1990年代の半ば以降です。もちろんそれ以前にも庭木や草花を楽しむ趣味はあったのですが、当時は環境保護の観点から人々が自然に関心を持ちはじめた時期であり、また同時に心の健康を重視する「癒し」ブームの時期でもありました。このような風潮と歩調を合わせることで、大きな注目を集めるようになったのです。


その際、主たるお手本になったのはいわゆる英国式庭園でした。英国式庭園はフランス式庭園のように草花を幾何学的に配置したり樹木を精緻に刈り込んだりするのではなく、植物本来の生態を生かした自然な庭づくりに特徴があります。また英国の一般家庭の庭は総じて狭いのですが、その狭さの中にも四季折々の植物をバランスよく配置するなどの工夫がなされています。それらの点が日本人の心性にも合ったものと考えられます。なお、ガーデニングという言葉が普及する以前は庭の草花等を手入れすることは一般に園芸と呼ばれていました。この言葉は現在も使われていますが、両者の間に厳密な区分はありません。ただガーデニングの方が園芸よりも若干範囲が広く、垣のしつらえや噴水の設置など庭全体のデザインにまで関わる言葉として使われています。