あらゆる製品には耐用年数が存在するけど、マンションやアパートは?(石川県/電気工事士/58歳/男性)

僕は石川県に住む58歳の電気工事士です。僕のコメントが、少しでもあなたのマイホーム購入のお役に立てれば嬉しいです。


あらゆる製品には耐用年数が存在しますが、マンションやアパート、一戸建ても同様です。一般にマンションの寿命は60年とされていますが、これは鉄筋コンクリート造りの建築物を資産計算する上で財務省が定めた法定耐用年数に由来しています。現在では、さらに短くなり47年とされていますが、実際にマンションの平均寿命は46年で、短いものでは築37年程度で立て替えられてしまいます。このように短いサイクルで立て替えられる原因としては、その構造体や設備の寿命に由来しています。一般的な鉄筋コンクリートの場合、鉄筋と表面までのコンクリートの厚みが、さまざまな条件により劣化し中の鉄筋が露出するのが60年と考えられています。配管などの設備は30年も経てば交換の時期になります。


耐用年数の長いことを謳っているマンションの場合は、工法の工夫により構造体の劣化がしにくい造りであったり、配管設備の管理や交換が容易に出来るようにしたりするなど、メンテナンスに配慮した造りになっているものです。特に資産として考える場合には、この耐用年数が大きなポイントになります。しかし、一方で長期間の耐用年数を謳っているマンションであっても、自然災害などによるダメージはまた別のものです。現代の建物では台風程度であれば、十分に耐えられる構造ですが、竜巻などの突風では大きく破損することがあります。また湾岸部であれば塩害にも注意が必要ですし、大規模地震などによる破損もその寿命を縮める一因となっています。