「マンションはコンクリートで出来ているから、長く住めるはず」「60年くらいは住めるでしょう。」そう信じている(広島県/武道家/70歳/女性)

私は広島県に住む70歳の武道家です。私のコメントが、少しでもあなたのマイホーム購入のお役に立てれば嬉しいです。


マンションの耐用年数は、どのようにして決まるものなのでしょうか。「マンションはコンクリートで出来ているから、長く住めるはず」「60年くらいは住めるでしょう。」そう信じている人が、たくさんいます。「60年」という数字がどこから来ているかというと、鉄筋コンクリート造の建物の資産を計算する便宜上、財務省が一律で決めた法定耐用年数の「60年」から来ているのだと思われます。しかし、1998年の税制改正で、それ以降の鉄筋コンクリート造の建物の法定耐用年数は「47年」と、13年も短くなっています。実際の耐用年数を考える時、造り方・住み方それぞれ異なるマンションが「一律に同じ」と考えることには無理があります。


国土交通省が2002年に作成した報告書によると、マンションの平均寿命は46年、立て替え物件の着工時期は築後37年となっています。建物の寿命を決める3要素は建物本体のコンクリートの劣化のしにくさ、入居後の適切なメンテナンス、地震などの外的要因によるものです。鉄筋コンクリートの劣化は、コンクリートの中にある鉄筋が錆びることから始まります。建物本体の劣化のしにくさの簡単な見極め方として、住宅性能表示制度を利用する方法があります。近年では同制度を利用してそのマンションがどれだけ長持ち仕様で造られているのかを、一般の人にもわかりやすく表示している物件も多くなってきました。購入の際にはぜひ活用した方が良いでしょう。